第三世界における中小規模産業に関する実証的研究の展開 : 文献研究による論点整理と残されている課題

書誌事項

タイトル別名
  • EMPIRICAL EVIDENCE OF SMALL SCALE INDUSTRIES IN THE THIRD WORLD: AN OVERVIEW OF THE LITERATURE

この論文をさがす

抄録

近年、「発展途上国における小規模産業の役割」に関して注目すべき研究成果が報告されている。それらの研究成果には「小規模産業が大規模産業よりもいかに当該諸国の経済発展に貢献できるか」という興味ある論点も含まれている。そこで、本論では、発展途上国経済においてこの小規模産業部門の有効性を検討するため小規模産業に関する諸文献を系統的に分析した。それは、文献整理だけでなく、スリランカの経済発展に係る小規模産業部門に関する研究の重要性にも配慮している。もちろん、それらの研究成果は、概して発展途上国共有の成果でもある。 発展途上国における多くの開発政策の主目的は、当該国全ての地域の貧しい人々がもつ「貧しさから解放されるべき」権利とその潜在的可能性を近づけることにある。全ての地域における生活条件のバランスのとれた成長を成し遂げるには、地方分散的な産業化が重要である。この根拠は、ほとんどの小規模産業が、一つの地域内で、また幾つかの地域間での経済的条件に最も適合して、社会的経済的均衡により大きく役立つものであるという予測においている。つまり、産業の小規模タイプは発展途上国における社会経済的問題を解決するに相応しい業態であるとみられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ