フリーストール牛舎・ミルキングパーラーへの設備投資の経営経済的評価

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  • フリーストール ギュウシャ ミルキングパーラー エ ノ セツビ トウシ ノ ケイエイ ケイザイテキ ヒョウカ

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県内でフリーストール牛舎・ミルキングパーラー方式(FS・MP)を導入して規模拡大した酪農家の経営と投資額の調査を実施し、生産性・収益性並びに設備投資の経営経済性を検討した。 全体ではFS・MPの経済的有効性が評価できた。しかし、経営間の較差が大きく、投資が回収できないと見込まれた経営が4割あり、設備投資の危険性も伺えた。また、長時間労働やふん尿処理等の問題があったが、規模拡大は順調で、低額投資でも実施可能であり、酪農経営の発展方向について作業性やゆとり面・収益性で参考になる経営形態であった。 1.FS・MPを導入して規模拡大した酪農家では、頭数は2倍に、生乳生産量は2.2倍になっていた。 2.収益面では収入・経費・所得も増加していた。所得の伸びは1.9倍と収入の伸びを下回っていた。 3.FS・MPへの投資額は、機械施設や牛など補助金込み100,700千円、自己負担76,000千円の新規投資が行われており、借入金は50,000千円にのぼっていた。 4.FS・MPの導入により、作業の機械化・省力化で作業は楽になっていたが、増頭により作業量が増加し、長時間労働になっていた。 5.所得金額により下位・中位・上位所得階層と区分し、階層間で経営を比較したところ、上位階層は、飼養頭数が多く、生産性・収益性も良かったが、家族労働時間は長かった。下位階層は、飼養頭数が少なく、生産性も悪く、投資額が多かった。 6.設備投資の経済性を検討したところ、現在価値法で、回収見込額は投資額を2,950千円上回った。内部収益率は5.1%であり、平均利子率の3.1%を上回っていた。資本回収期間法では、総合耐用年数を超していた。

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