アカザ(Chenopodium amaranticolor)キチナーゼ遺伝子のクローニングと形質転換タバコの作出

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  • アカザ Chenopodium amaranticolor キチナーゼ イデン

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抄録

アカザ(Chenopodium amaranticolor)幼植物の葉から、4つのキチナーゼ遺伝子(CAP9、CAM18、CAM19、CAM24)をクローニングし、その塩基配列を決定した。いずれも全コード領域を含んでおり、それぞれ275、273、267、272アミノ酸からなるタンパク質をコードし、その分子量は28-29kDaであった。これらはいずれもcysteine-rich domainを含み、既報のキチナーゼとの相同性比較からクラスIVキチナーゼに属すると考えられた。これらキチナーゼ遺伝子が挿入された発現プラスミドpSPORTをもつ大腸菌は、IPTG誘導によって著しく溶菌し、菌体内で発現したアカザ・キチナーゼが強い抗菌活性をもっていることが示唆された。また大腸菌で生産したCAM18部分配列(154アミノ酸)を家兎に免疫して得られた抗CAM18抗体を用いて、アカザ葉における同タイプのキチナーゼの発現を調べたところ、キュウリモザイクウイルス感染によって局部壊死斑を形成した葉やサリチル酸処理した葉片で高い発現が確認され、無処理葉や付傷葉では検出されなかった。従って、これらキチナーゼは病原体やストレスによって誘導されるPRタンパク質であることが明らかとなった。このCAP9キチナーゼをタバコPR-1aプロモーターに連結したキメラ遺伝子を作製し、アグロバクテリウム法によってタバコに導入した。その結果、タバコゲノムヘのキメラ遺伝子導入は確認されたものの、CAP9のmRNAおよびタンパク質の発現は検出できなかった。しかしながらいくつかの形質転換系統でPythium aphanidermatumによるタバコ舞病抵抗性が確認された。

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