地域特産鶏「奥美濃古地鶏」にみられた胸部水疱の特徴と飼育技術改善による発生の防止

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  • チイキ トクサンケイ オクミノ コジドリ ニ ミラレタ キョウブ スイホウ ノ トクチョウ ト シイク ギジュツ カイゼン ニ ヨル ハッセイ ノ ボウシ

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抄録

岐阜県の地域特産鶏である奥美濃古地鶏の胸部水疱の発生をブロイラー(銘柄、チャンキー)の場合と比較検討した。12週齢の奥美濃古地鶏の体重は8週齢のブロイラーの体重と同程度となることから、奥美濃古地鶏を12週齢まで、ブロイラーを8週齢まで育成する実験を3回反復して行った。3回の実験終了時の胸部水疱の発生率は奥美濃古地鶏が49.0%、43.6%、30.7%であったのに対し、ブロイラーでは5.4%、1.1%、8.0%で、奥美濃古地鶏の発生率は有意に高く、水疱の大きさもブロイラーより大きかった。奥美濃古地鶏で胸部水疱の発生が多いのはむね肉、特に浅胸筋の発育が悪いためと考えられた。次に、奥美濃古地鶏の飼育技術の改善による胸部水泡の発生防止を検討した。7週齢以後、各週に1回、飲水器周辺の湿って汚れた敷料および糞を約50kgを飼育室外に搬出し、残余の敷料の切り返しを行った。敷料処理群の水泡の発生率(26.4%)は対照とした未処理群(39.0%)より有意に低下したが、水泡の大きさには両群間に差がなかった。12週齢時における鶏の動態をを調べたところ、敷料処理群では76.3%の鶏が佇立あるいは歩行状態にあったが、未処理群では50.8%であった。敷料処理により座位の状態が少なくなることが水泡発生を低下させたと考えられた。

収録刊行物

  • 鶏病研究会報

    鶏病研究会報 38 (2), 84-89, 2002-08

    つくば : 鶏病研究会

参考文献 (13)*注記

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