水稲の表層代かき同時移植栽培における冬雑草の防除法

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  • スイトウ ノ ヒョウソウ シロカキ ドウジ イショク サイバイ ニ オケル フユ ザッソウ ノ ボウジョホウ

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抄録

温暖地における水稲の表層代かき同時移植で、冬雑草の発生による水稲の移植精度、生育量ならびに収量の低下について、問題の発生機構を明らかにするとともに、耕耘の時期、方法ならびに茎葉処理除草剤による防除法を明らかにした。1.水稲の表層代かき同時移植における移植精度の低下は、苗の埋没と倒伏、浮苗によるものであった。苗の埋没は表層代かきによる液状化した泥土によって発生した。一方、倒伏と浮苗の発生率は、移植時の冬雑草の発生量が多く、砕土率が低いことにより高くなった。2.移植時に残ったスズメノテッポウ等の冬雑草は水稲の分げつを抑制し、移植時の残草量が50g/m2以上では穂数が不足して減収した。3.1月から2月のロータリ耕では、冬雑草が発生し、移植精度、水稲の生育ならびに収量に影響を及ぼした。一方、3月中、下旬のロータリ耕により移植時の冬雑草は減少し、表層代かき同時移植栽培の移植精度、生育量、収量の低下は防げた。4.プラウ耕による秋耕は、ロータリ耕よりも冬雑草の発生を抑えるが、この場合には、砕土と整地を兼ねた春耕が必要であった。5.グリホサート液剤による冬雑草の防除は、10月上旬でも4月上旬でも効果が認められた。6.湛水処理は、1月、4月に開始するよりも11月上旬に開始する方が、冬雑草の発生を抑制する効果が高かった。7.以上のことから、ロータリ耕を3月中、下旬に1回行う、あるいはプラウ耕による秋耕とロータリ耕による春耕で冬雑草の発生を抑え、表層代かき同時移植栽培の移植精度、生育量ならびに収量の低下を防ぐ管理法を明らかにした。

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