保存卵巣から採取したウマ卵子の卵細胞質内精子注入法による評価

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タイトル別名
  • Evaluation of Equine Oocytes from Preserved Ovaries Using Intracytoplasmic Sperm Injection

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抄録

本研究は、1日保存された卵巣から採取したウマ卵子が、体外成熟および体外受精研究に供試することが可能であるのかどうかの検討をおこなった。卵巣は20℃の保存温度で約24時間かけてと屠畜場から研究室へと輸送された。緊密に卵丘細胞層が付着した卵丘卵母細胞複合体をIVMD101培地中で培養し(38.5℃、5%CO2気相下)、培養42時間目までの核成熟率を調べた。成熟率は培養24時間から30時間目で有意に上昇し、以降プラトーに達した。培養30時間目の第一極体放出卵子に凍結融解ウマ精子1個を顕微注入し、活性化処理(イオノフォアA23187、10分間およびシクロヘキシミド、6時間)を行ったところ、44%が正常に受精していた。ICSI後10日目まで培養を継続した結果、卵割率と胚盤胞発生率はそれぞれ、52%および9%であった。以上のことから、1日保存したウマ卵巣から採取した卵子は培養30時間までに核成熟を完了し、これらの卵子はICSI後に胚盤胞まで発生できることが示された。

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