ダイアンサス属植物における花弁色素構成及び色素生合成関連遺伝子の解析

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  • ダイアンサスゾク ショクブツ ニ オケル カベン シキソ コウセイ オヨビ シキソ セイゴウセイ カンレン イデンシ ノ カイセキ

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ダイアンサス属植物137種・品種・系統の花弁色素成分の比較・分析と色素合成関連遺伝子の単離及び構造解析を行った。野生種には、紫、紫赤、赤及び橙赤の色相に属する花弁色を持つ種・系統は認められず、いずれもリンゴ酸でアシル化されたCy3MaG及びCyclic MaCy3G5Gを主要色素として有していた。数種・品種・系統のダイアンサス属植物からRT-PCR及びPCRによりカルコン合成酵素(CHS)、ジヒドロフラボノール4-還元酵素(DFR)、フラバノン3-水酸化酵素(F3H)及びアントシアニジン合成酵素(ANS)のcDNA及び構造遺伝子を単離し、構造解析を行ったところ、いずれも、種・品種・系統間におけるコード領域配列は高度に保存されていた。一方、それらの構造遺伝子について調べてみたところ、CHSとDFRでは、エキソン配列は高度に保存されているのに対し、イントロン配列は種間で変異が認められた。また、DFRのcDNA及び構造遺伝子には、既報のカーネーションのdfr-cDNAには存在しない25bpの挿入配列が認められたことから、花弁組織内で複数のDFRが発現していることが示唆された。以上の結果から、ダイアンサス属植物においては、花色発現に関する基本的な生合成系は共通していることが示された。

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