河川底質客土水田における除草剤の効果変動要因

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  • カセンテイシツ キャクド スイデン ニ オケル ジョソウザイ ノ コウカ ヘンドウ ヨウイン

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抄録

底質客土水田において発生する除草剤の効果の低下要因を、主要な7種類の除草剤の粒の崩壊性とタイヌビエ (eary watergrass, Echinochloa oryzicola Viαsing.) に対する除草効果を調査することにより明らかにした。1.除草剤の粒の崩壊性とタイヌビエに対する除草効果の低下は土壌により異なり、干潟土壌で大きく、神崎土壌で小さかった。干潟土壌は交換性塩基が多く、田面水のCa濃度、硬度及びECが高く、pHが低い酸性硫酸塩土壌であった。2.酸性硫酸塩土壌における粒の崩壊性とタイヌビエに対する除草効果の低下程度は、除草剤によって異なった。タイヌビエに有効な成分の水溶解度が小さい、クロメトキシニル粒剤、ダイムロン・CNP粒剤、ピラゾレート粒剤は、酸性硫酸塩土壌では粒の崩壊性が低下し、それに伴って除草効果の低下が大きかった。一方、タイヌビエに有効な成分の水溶解度が大きいプレチラクロール粒剤は、酸性硫酸塩土壌でも粒の崩壊性の低下が小さく、除草効果の低下も小さかった。3.溶液のpHが4~8までの範囲ではいずれの供試除草剤でも粒の崩壊性は変わらなかった。除草剤によってその傾向はやや異なるものの、溶液のECは6mS/cmまでは高いほど粒の崩壊性が低下した。溶液の硬度はプレチラクロール粒剤を除いた供試除草剤では、硬度30度までは硬度が高いほど粒の崩壊性は低下した。4.底質客土水田では、有効成分の水溶解度が極端に低い除草剤の使用を避け、水溶解度の高い成分を含む除草剤を使用する方が良いと考えられた。

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