マナマコの加熱処理による物性の変化

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抄録

大村湾では体色の黒いマナマコが増加し問題となっている。しかしながらこのナマコは通常の味覚をもつため,料理素材としては「アカ」「アオ」ナマコと同様に利用可能である。そこで,加工をする際に必要な基礎知見として加熱処理による物性等を調査した。また,その際生じたエグ味成分解明の試みとして遊離アミノ酸について検討した。加熱処理は50~140℃間の温度帯を10℃間隔で10,30,90分間とした。10分加熱処理は60,130,140℃,30分加熱処理は60,120~140℃,90分加熱処理は50,100~140℃で軟化した。50~60℃での軟化は,結合組織の構造の変化,100℃以上では崩壊によるものと思われた。また,エグ味を呈するとされる遊離アミノ酸は全て閾値以下で,直接的なエグ味の発生原因ではないと考えられた。

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