収穫後から落葉期におけるブドウ‘巨峰'の光合成速度の経時変化

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ブドウ‘巨峰’において収穫後から落葉までの葉位別光合成特性を明らかにするため、携帯用光合成蒸散測定装置を用いて経時的に調査を行った。また、同一圃場で群落構造解析装置を用いてLAIの経時変化を調査した。1.収穫後から落葉までの光合成速度は経時的に低下していく。光合成速度が急激に低下する時期は、葉齢が進んでいる葉ほど早くなる傾向であった。新梢葉では収穫後1ケ月程度は比較的高い値で推移したが、気温低下にともない急激に低下した。副梢葉は新梢葉と比べると光合成速度は全般に低かったが、遅くまで落葉しなかったため光合成を行う期間は長く続いた。2.光合成速度と葉内CO2濃度の間には負の相関が認められ、葉内CO2濃度が上昇するにしたがって光合成速度は低下した。3.葉色と光合成速度との関係をみると、収穫後から落葉までの時期においては葉色値が高いからといって必ずしも光合成速度が高いとは限らず、むしろ葉齢による違いが光合成速度に影響していた。4.LAI値は測定開始時から10月中下旬にかけてゆっくりと低下し、最低気温の急激な低下にともない落葉が進んだ10月下旬に急激に低くなった。この結果、LAI値の推移と光合成速度の推移は同じようなパターンを示した。

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