家畜糞堆肥の施用が黒ボク水田土壌からのメタンおよび亜酸化窒素フラックスに及ぼす影響

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  • カチク フン タイヒ ノ シヨウ ガ クロボク スイデン ドジョウ カラ ノ メタン オヨビ アサンカ チッソ フラックス ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

3種類の家畜糞堆肥を柏農場多湿黒ボク水田に施用するとメタン発生量は化学肥料区よりも多いことが明らかになった。ただし家畜糞堆肥の種類によってフラックスピークの時期に差があり、鶏糞区と豚糞区では栽培初期に、牛糞区では後期にメタンフラックスのピークが現れたと推定された。施用時期と水管理方法を変えれば堆肥施用によるメタンフラックスの増加を抑制できる可能性もあると判断された。水溶性有機態炭素とメタンフラックスについては有意な相関関係がみられ、その相関係数は全処理区を対象とした場合よりも、家畜糞堆肥施用区のみの方がより高い傾向が見られた。室内培養試験におけるメタン生成活性は、湛水前採取土壌の方が収穫期採取土壌よりも明らかに大きく、鶏糞区>豚糞区>化学肥料区>牛糞区の順に活性が高いことがわかった。また亜酸化窒素フラックスは中干し期以降の3回の測定結果とも有意な大気への放出は認められず、メタン放出削減のために水管理を強化しても、家畜糞堆肥由来の亜酸化窒素増加は起こりにくいと推察された。

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