オウトウの雪害に関する研究

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  • オウトウ ノ セツガイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

2000~2001年冬季の積雪によりオウトウの樹体に発生した雪害の状況を調査した結果,最深積雪の1/2以下の高さから発生している側枝には,高い確率で雪による被害が見られた。側枝の分岐部位は,61~80°の角度の枝が最も被害を受け,分岐部位の角度がこれよりも小さい場合や大きい場合には被害が少なくなり,特に分岐部位の角度が大きい場合には被害を受ける側枝の割合が急激に低下した。さらに,側枝先端の高さが雪害の発生に影響しており,積雪面より80cm以上高い場合には,雪による被害が急激に少なくなっていた。これらのことから,主枝候補となる枝や長期間使用する側枝は,想定される最深積雪の1/2以上の高さから発生させ,分岐部位の角度は80°以上の大きい角度で発生させた枝を使用すること,側枝先端は積雪面から上に出るように生育させることにより雪害を軽減できると考えられた。また,主幹形仕立ては,雪による被害が少なく花束状短果枝の減少も少ないことから,200cm程度の積雪が予想される多雪地帯に適した樹形であると考えられた。

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