南九州における黒ボク土および古赤色土の生成に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Review of the Research on Formation of Andosols and Pareoredsoils in South Kyushu, Japan
  • 南九州における黒ぼく土および古赤色土の生成に関する研究
  • ミナミキュウシュウ ニ オケル クロボクド オヨビ コ セキショクド ノ セイセイ ニ カンスル ケンキュウ

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説明

本稿では、南九州におけるアカホヤで代表される黒ボク土や赤色土の生成に関する研究結果の概要を述べた。要約すると以下の通りである。1.アカホヤについて。アカホヤの母材は、鬼界カルデラを噴出源とするガラス質の火山灰(アカホヤテフラ)である。アカホヤテフラがたどった風化・土壌化の過程には3通りあり、地上に降灰・堆積してから現在まで(約7300年間)地表で風化・土壌化作用を受けてきたタイプ(I)、一定期間地表で風化・土壌化作用を受けたが、その後テフラに厚く覆われたために埋没状態となっているタイプ(II)、および降灰・堆積直後から他のテフラに厚く覆われたために地表での土壌生成作用を受けていないタイプ(III)である。タイプ(I)のアカホヤの分布範囲が最も広く、各地で表土を構成し、アカホヤ、イモゴ、オンジなど呼ばれている。このタイプ(I)のアカホヤは風化度や養分の溶脱が最も進み、粘土鉱物としてイモゴライトを含み、多孔質で壊れにくい構造をしているため植物根の侵入が阻害されるなどの性質を持つ。そのために、生産力が極めて低く、代表的な不良火山灰土壌として知られている。

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被引用文献 (1)*注記

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