各種イネ菌核形成菌の菌核発芽能力と菌核比重の比較

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  • Comparative Germination Ability and Specific Gravity of Sclerotia of Rhizoctonia and Sclerotium spp., Causing Rice Sclerotial Diseases

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イネ球状菌核病菌、灰色菌核病菌、褐色菌核病菌および赤色菌核病菌の4種菌核形成菌と紋枯病菌との間で、菌核の比重、発芽開始時間および断続発芽能力に関して比較検討した。イネわら培地(RSM)上での形成菌核の比重は、球状菌核病菌では0.9、他の菌核形成菌および紋枯病菌では1.3-1.4、またイネ体上での形成菌核の比重は球状菌核病菌では0.7、他の菌核形成菌および紋枯病菌では1.1-1.2であった。菌核発芽開始時間に関して、4種菌核形成菌の菌核は培養6時間後でほとんど発芽しなかったが、紋枯病菌は6時間後に19-40%で最も高率であった。菌核断続発芽能力に関して、菌核形成方法の違いに拘らず、紋枯病菌菌核は他の4種菌核形成菌と比べて常に高く、培養6回目で発芽率53-97%、9回目でも27-86%であった。一方、4種菌核形成菌、とくに球状菌核病菌、灰色菌核病菌および褐色菌核病菌の菌核は培養後速やかに発芽率低下が起こり、培養2回目で16-67%、3回目で0-14%、4回目以後で0-5%となった。このような菌核の諸性質は水田における病原菌の拡散および菌核病発生を理解するうえで重要であることが推察された。

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