ヒノキ人工林の林床における強度間伐後2年間の木本種動態

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  • ヒノキ ジンコウリン ノ リンショウ ニ オケル キョウド カンバツ ゴ 2ネンカン ノ モクホンシュ ドウタイ

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抄録

強度間伐後の人工林への高木性広葉樹の侵入や成長,それらに影響を与える要因を明らかにする目的で,46~50年生ヒノキ人工林において本数率50%程度の間伐を行う間伐区と行わない無間伐区をそれぞれ2箇所ずつ設け,間伐前,間伐後2年間に林床に出現する木本種の生残,成長を調査した。間伐後に間伐区での木本種本数は大幅に増加したが,針広混交化を考える上で重要な高木性広葉樹の本数はごくわずかであった。間伐2年後になって新たに出現した実生も多数みられたが,前年までに出現した実生の消失も多いために木本種本数は1年目とほとんど変わらず,樹高成長もごくわずかであった。これら要因として種子供給や林床の光環境,土壌状態などが更新,定着に十分ではなかったことが考えられた。シカの影響については調査期間中に新たに出現した個体に対する食害率は高くないため,現段階では踏みつけに起因する土壌攪乱により更新促進と実生死亡の両方に影響している可能性があると考えられた。

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