ダイズ根粒超着生変異株NOD1-3の根粒形成初期過程における光合成産物の分配

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  • Allocation of Photosynthetic Products in Hypernodulation Mutant of Soybean NOD1-3 in the Early Stage of Nodule Formation

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抄録

これまでに、ダイズ(Glycine max[L]Merr.)栽培品種Williamsを用い、根粒菌接種8日後までの根粒形成初期過程では、根粒着生による光合成産物の分配増加が認められないことを示した(Io e al.2006)。今回は、Williamsより得られた根粒超着生変異株NODl-3を用い、根粒形成初期過程における光合成産物の要求性に違いがあるか否かを調査した。播種18日後のダイズ植物の地上部に14CO2を120分間供給する実験を行った。根粒菌接種8日後の地下部への14Cの分配を、根粒菌非接種の地下部への分配と比較した。接種8日後では根粒超着生変異株においても、接種した根への光合成産物の分配の増加は認められなかった。しかしイメージングプレートを用いた14C分配のイメージング画像では、Williamsとは異なり接種した地下部において根粒の部分が強いシグナルとして検出された。接種8日後では地下部に送られる光合成産物量全体は非接種と変わらないが、局所的には根粒が根よりもすでに強いシンク活性を持つことを示した。また、より長期的な光合成産物の動態を調査するために、植物体内のデンプンおよび糖含量を分析した。しかし、デンプン・糖含量ともに根粒菌接種・非接種処理間に有意な差は無かった。これらの結果から、NODl-3においても根粒形成初期過程における光合成産物の地下部への分配は顕著に増加することはないと結論づけた。

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