関東育種基本区の精英樹等のスギクローンについての雄性不稔の調査結果と発見された雄性不稔2クローンの特性

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  • カントウ イクシュ キホンク ノ セイエイジュ トウ ノ スギ クローン ニ ツイテ ノ ユウセイ フネン ノ チョウサ ケッカ ト ハッケンサレタ ユウセイ フネン 2 クローン ノ トクセイ

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抄録

近年のスギ花粉症の重大性に鑑み、林木育種センターでは、育種素材や遺伝資源として林木育種センター本所で保存しているスギクローン中に雄性不稔個体が含まれているかを明らかにするための調査を2004年2月より開始した。これまで3ヶ年間調査を実施し、林木育種センター本所で保有している1908クローンの内、精英樹851クローン(関東育種基本区選抜のスギ精英樹936クローンの90.9%)を含む1820クローン(95.4%)について調査を終了した。この調査により、2クローンの雄性不稔スギが発見された。雄性不稔であった2クローンは高萩CR7(「爽春」)とシバハラセルフNo.1で、着花が認められたそれぞれ15ラメートと5ラメートの全てで、雄花の花粉嚢内で正常花粉の形成が認められなかったため、これらのクローンを雄性不稔と判定した。「爽春」については、検定林において調査を行い、他のクローンと成長特性を比較した。その結果、相対的に成長は平均を下回るが、幹の通直性と根元曲がりについては、平均よりも優れていることが示唆された。雄性不稔を利用した今後の育種の推進にあたって、雄性不稔の遺伝子プールを拡大すること、近親交配を回避する必要があること、ヘテロ個体の有用性、及び連鎖マーカーの開発の必要性について考察した。

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