長野市芋井地区における土地利用に伴う植生の変化

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  • ナガノシ イモイチク ニ オケル トチ リヨウ ニ トモナウ ショクセイ ノ ヘンカ

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長野市芋井地区における土地利用に伴う植生の変化について、主に市町村誌類・聞き取り調査・植生に関する生態学的知見を用い検討した。その結果、標高400-800m、800-1000m、1000-1400m、1400m以上の各標高で植生変化のパターンは異なっていた。植生の質的変化をみると、平安時代後期-江戸時代までは、初期森林の外来性の栽培草本、遷移が退行した植生へのおきかえの進行であったが、明治時代から昭和20年代までは、遷移が退行した植生における外来性の栽培草本や針葉樹の拡大、栽培草本での果樹の拡大、栽培草本内での構成種の多様化がすすむ一方で、遷移が退行した植生では進行遷移もすすんだ。昭和30年以降は、さらに栽培植物内での構成種の多様化、品種レベルでの変化、針葉樹の拡大がすすむ一方で、遷移がすすんだ二次的植生が拡大しており、新たに無植生地も生まれている。こうした植生の変化は、平安時代後期以降のツキノワグマとイノシシ・シカの生息域の分化、江戸時代以降のツキノワグマの生息域縮小、イノシシ・シカの地域的絶滅、平成以降のツキノワグマの生息域回復をもたらしてきたと考えられた。

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