中山間地域における農業集落の類型化と担い手の意向からみた地域維持について

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  • チュウサンカン チイキ ニ オケル ノウギョウ シュウラク ノ ルイケイカ ト ニナイテ ノ イコウ カラ ミタ チイキ イジ ニ ツイテ

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抄録

集落機能に視点をあてた農業集落の類型化を行い、集落維持の困難な限界的集落の実態解明と今後の予測を行った。さらに、担い手の意識や意向を分析することにより、今後の地域維持の方向性を明らかにした。1.農業集落を総戸数増減で類型化すると、発展型が17%、中間型が59%、衰退型が24%であった。このうち、集落機能が非常に脆弱化した限界的集落は5%(125集落)を占めている。2.集落機能は、発展型から衰退型へ向かうほど、脆弱化する傾向があり、衰退型集落は旧市町村境に多く分布している。3.限界的集落は125集落あり、集落機能は衰退型集落よりも脆弱化している。また、生活上の主要施設から遠い旧市町村境に多く、衰退型集落と隣りあって分布しており、2010年の限界的集落予測は143集落になる。4.担い手の意向から、今後も農業の担い手は減少することが予測されるため、地域に関わる多様な人材を担い手として捉え、減少する農業の担い手を補完する必要がある。5.担い手の立場によって、農業や農村に対する意識や意向は異なっている。しかし、農地を守る重要性を強く感じていたり、農業の多面的機能を評価するなど共通した意識を持ち、地域に関わる意向を持っている。6.地域を維持するには、集落を越えて人材を確保し、集落の機能を活かして活動することにより、地域を活性化していく取組が必要である。そのためには、多様な人材が関われるような活動のしくみが必要である。

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