ヒメトラハナムグリの生活史および訪花植物

書誌事項

タイトル別名
  • Life History and Visiting Flowers of Lasiotrichius succinctus (Pallas) (Coleoptera : Scarabaeidae)
  • ヒメトラハナムグリ ノ セイカツシ オヨビ ホウカ ショクブツ

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抄録

ヒメトラハナムグリの幼虫は朽木内に生息し、腐朽材を摂食することが知られているが、筆者らは粉砕腐朽材による屋外飼育実験により累代飼育に成功した。そして、その結果から本種の生活史を推定した。本種は年1化性であり、成虫の活動期間は5月中旬から8月上旬であった。産卵は6月から7月に行われ、幼虫は3齢が終齢であった。越冬態は終齢幼虫であるが、成熟した終齢幼虫は9月下旬から蛹室を形成し、その中で越冬した。生活史型は、年1化・幼虫越冬・1回繁殖型であった。また、成虫の餌資源である訪花植物について調査した結果、1綱5目5科8種が確認された。本種は都市部やその近郊など、地域によっては貴重種となっているが、そのような場所において本種を保全するためには、訪花植物を植栽し、発生源となる朽木を設置することも有効であると考えられる。

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