大村湾でみられた漁業被害を伴うフサイワズタの大量発生

この論文をさがす

抄録

大村市沿岸で2005年12月上旬にフサイワズタの大量発生が観察され、ナマコ桁曳網漁業の操業に被害をもたらした。大量発生は長崎空港に面した海岸線約4kmの水深2〜10mの泥質の海底上に浮遊して堆積し、厚さは1.2mに達した。堆積したフサイワズタは1月以降には減少し、9月には最低となったが、10月以後再び増加し、消失することはなかった。この間、3月には幼体が形成され、8月には成熟する等、藻体は浮遊状態で生育を続けた。2005年12月に認められたフサイワズタの大量発生は浮遊状態で生活を維持している個体群がもとになって発生したと考えられた。大量発生を誘発した原因として2005年の夏〜秋に水温が高かった点が疑いとして残された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ