小河川での標識再捕によるサクラマス遡上尾数の推定

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  • ショウカセン デノ ヒョウシキ サイホ ニ ヨル サクラマス ソジョウ ビスウ ノ スイテイ

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1.1998年と1999年に厚田川支流左股川において標識再捕調査を行い、サクラマス親魚の遡上尾数を推定するとともに、小河川での遡上尾数の推定における標識再捕の有効性について議論した。2.標識放流は7月下句から8月下旬にかけて行い、1998年は87尾、1999年は99尾を標識した。9月に再捕を行い、1998年は採捕された61尾のうち16尾、1999年は採捕された150尾のうち37尾が標識魚であった。3.Petersen法によるサクラマス遡上尾数の推定値(括弧内は±標準誤差)は、1998年は雌165(±35)尾、雄179(±72)尾、計344(±80)尾、1999年は雌286(±57)尾、雄126(±23)尾、計412(±61)尾であった。4.小河川では親魚の移動範囲は限られ、また、産卵後の弱った親魚は比較的容易に採捕でき、産卵時期の親魚に対する採捕効率18〜37%であった。5.雄の標識率および再捕率は2ヵ年で大きく異なり、産卵時期の雌雄の行動の違いが標本抽出率や標識魚と未標識魚の混合度合の雌雄差に影響したものと考えられた。6.1999年には標識場所間での再捕率および再捕場所間での標識魚の混入率に有意な差がみられたことから、標識再捕調査においては採捕に偏りが生じないよう、そしてランダムなサンプルが得られるように調査計画を組むことが重要であると考えられた。

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