冬どり青首ダイコンの施肥、生育、収穫が根部硝酸イオン濃度に及ぼす影響

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  • フユドリ アオクビ ダイコン ノ セヒ セイイク シュウカク ガ コンブ ショウサン イオン ノウド ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

三浦半島の黒ボク土壌で栽培した冬どり青首ダイコンにおいて、根部硝酸イオン濃度に及ぼす各種要因を検討するため、基肥の種類、追肥窒素施用量、収穫の時間帯、収穫後の貯蔵、及び収穫時の生育ステージが、ダイコンの根部硝酸イオン濃度に及ぼす影響を調査した。また、葉の硝酸イオン濃度から根の硝酸イオン濃度を推定する方法を検討した。さらに、現地の農家において、ぼかし堆肥を主体とした施肥を行う独自の農法で栽培されたダイコンと、通常栽培のダイコンの硝酸イオン濃度を比較した。1)冬どりダイコンの根部硝酸イオン濃度は、追肥の窒素施用量を少なくすることにより低下した。基肥の種類がぼかしであるか化成肥料であるかは影響しなかった。2)収穫の時間帯(朝・昼・夕)の違いは硝酸イオン濃度に影響しなかった。3)ダイコンを8℃で貯蔵すると、根部硝酸イオン濃度は貯蔵4日後まではやや減少したが、11日後には上昇した。4)9月下旬に播種したダイコンの生育ステージ別硝酸イオン濃度は、収穫を開始した12月上旬から収穫を終了した1月上旬まで、ほぼ同等に推移した。5)根重1000g程度のL級ダイコンであれば、完全展開葉または成熟葉の葉柄硝酸イオン濃度と、根部硝酸イオン濃度との相関が高く、葉柄硝酸イオン濃度から根部硝酸イオン濃度を推定することが可能であった。6)現地の農家において、ぼかし堆肥を主体とする独自の農法で栽培されたダイコンと、通常栽培のダイコンの硝酸イオン濃度を4年間にわたり比較した結果、前者のダイコンのほうが硝酸イオン濃度が低い傾向が認められた。

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