複条播種による大豆の安定生産技術の開発

書誌事項

タイトル別名
  • フクジョウ ハシュ ニ ヨル ダイズ ノ アンテイ セイサン ギジュツ ノ カイハツ

この論文をさがす

抄録

山形県では生産調整の強化にともない、水田転換畑を主体に大豆の作付けが増加してきた。2004年現在、7230haの大豆が栽培されている。しかしながら、ここ数年来、気象変動の影響などから、収量・品質の変動が大きく、安定的な市場供給ができないことが生産振興上の課題となっている。そこで、現地で実施されている基本技術に加えて、播種方法や根粒活性の向上技術を組み入れた新たな安定多収栽培技術の開発を行った。その際、現地の実態を考慮し、作付けの大部分が転換畑であることから、排水不良や雑草への対策が必要であること、生産組織を中心とした機械化一貫体系として適用できることを前提とし、乗用管理機等で中耕・培土作業が可能な播種様式の改善を中心に検討した。その結果、大豆を複条(密植2列)に播種することにより安定的に増収することを認めた。すなわち、複条播種では密植により初期生育が旺盛となるとともに、株間の空間を確保することで受光態勢が良好となり、登熟が改善される。この結果、単位面積当たりの稔実莢数を安定的に増加させることで、多収となることを明らかにした。これらは、市販の播種機に軽微な改良を加えることで実践できる技術として普及が可能である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ