ニホンナシ‘幸水'の栽培の現状に関する一考察(1) : 主に千葉県東葛飾地域におけるえき花芽利用について

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  • ニホンナシ コウスイ ノ サイバイ ノ ゲンジョウ ニ カンスル イチ コウサツ 1 オモニ チバケン ヒガシカツシカ チイキ ニ オケル エキ カガ リヨウ ニ ツイテ

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抄録

主に千葉県東葛飾地域におけるえき花芽利用について。千葉県はニホンナシの栽培が盛んである。主要品種の中で‘幸水’は最も早く収穫できるので、夏季を代表する果物として贈答用商品などに利用されて有利に販売されている。今日、‘幸水’は以前主力であった‘長十郎’、‘二十世紀’や現在主力の‘豊水’、‘新高’、‘平塚16号(通称:かおり)’とはまったく異なる独特の栽培方式が確立されて生産されている。しかし、同県東葛飾地域のような大産地(同県の50%以上の栽培面積を有する)の将来をかんがみると、わずかな期間ながら普及および研究に身を置く筆者には一つの憂いが生じる。先人の努力により築き上げられた今日の栽培方式を、ただ後輩らに伝えるだけでよいのであろうか。それは、今後も同県において‘幸水’が長きにわたり最も重要な品種であり続けると確信するゆえ生じる。今日では産地をとりまく環境の変化は著しく、解決すべき課題が山積みである。すなわち、従来の栽培方式による生産の継続が困難になりつつあり、その見直しが求められていると考える。そこで、千葉県東葛飾地域における‘幸水’の栽培方式の現状および確立の背景とその栽培を成立させている技術的根拠について検証し、新たな可能性について全3回にわたって論ずる。

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