都田川におけるアユ産卵水域の上流側への移動

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  • ミヤコダガワ ニ オケル アユ サンラン スイイキ ノ ジョウリュウガワ エノ イドウ

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抄録

1986年にダムが完成しアユの生活域が分断された都田川において、1996〜1998年の各年におけるアユ産卵場の位置や規模等を調査し、1965年の産卵状況と比較することで、次の結果を得た。1)3ヵ年の調査で、新祝田橋直下に2箇所、都田川橋上流に4箇所、瀬戸橋上流に1箇所、東久留女木に2箇所の合計4地点9箇所で産卵が確認された。2)産卵水域は、河口から上流5.0〜8.5kmの河床勾配1/1000〜1.2/1000の範囲と、河口から上流23.0kmで都田川ダム上流の河床勾配2.5/1000〜4/1000の範囲であった。この内、下流部に位置する産卵水域は、1965年と比べ約1km上流側へ移動していた。3)産卵面積は、新祝田橋付近が最大であり、1997年に108m2、1998年に96m2でそれぞれ最大であった。4)総産卵数は、東久留女木1,131万粒、都田橋281〜503万粒、瀬戸橋262万粒、新祝田橋4,480〜5,397万粒であり、最下流に位置した新祝田橋直下で最も多かった。5)発眼率は、東久留女木と都田橋では10月中下旬にのみに高率であったのに対し、新祝田橋では10月上旬と11月下旬〜12月上旬の2回高率であった。6)卵の死亡率は、東久留女木で10月下旬〜11月上旬に8.8〜14.3%と高率であったのを除き、その他では0〜2.8%と低率であった。

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