飼槽底を高くすると牛の採食量は増加する

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  • シソウテイ オ タカクスル ト ウシ ノ サイショクリョウ ワ ゾウカスル

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説明

牛の飼槽底の高さと飼料摂取量、ルーメン内性状および牛の採食行動との関係を明らかにするために、育成牛3頭を用いて試験を行った。試験区は飼槽底の高さを牛の蹄の位置よりも13cm低い-13cm区、蹄と同等の位置の0cm区、蹄よりも70cm高い70cm区の3区とした。試験期間は予備期1週間、本試験1週間のラテン方格法により行った。得られた結果は次のとおりであった。1.乾物摂取量について、-13cm区は10.7kg/日、0cm区10.8kg/日、70cm区11.3kg/日で、0cm区に比べて70cm区は有意に多かった(p<0.05)。増体重についても同様に0cm区に比べて70cm区が高い傾向にあった。2.ルーメン内性状についてはpHと酢酸、プロピオン酸および酪酸のモル比率のいずれも試験区間に有意差はなかった。採食後4時間目および7時間目のpHは7.2から7.5、酢酸モル比率は76%から78%、プロピオン酸は14.9%から16.8%、酪酸は6.0から7.0%の範囲であった。3.牛の午前9時から午後5時までの採食行動について、-13cm区の採食時間は137分、0cm区は167分、70cm区124分で、0cm区よりも70cm区の方が短かった。逆に、反芻時間は0cm区よりも70cm区の方が長い傾向にあった。その他、横臥時間、飲水回数、排尿回数、排ふん回数には有意差はなかった。これらの結果は、飼槽底を高くすると、牛の乾物摂取量は増加し、ルーメン内性状には変化がなく、採食時間が短くなり、採食スピードが速くなることを示すものであった。

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