宮崎県南部の2河川におけるエビ類の分布

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タイトル別名
  • Occurrence and longitudinal distribution of shrimps in Kaeda and Ibii Rivers, Miyazaki, Japan
  • ミヤザキケン ナンブ ノ 2 カセン ニ オケル エビルイ ノ ブンプ

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抄録

宮崎市加江田川および日南市伊比井川において河川性エビ類の分布調査を行った。その結果、加江田川でヌマエビ・ヒメヌマエビ・ヤマトヌマエビ・ミゾレヌマエビ・ヒラテテナガエビ・ミナミテナガエビの計6種、伊比井川では同6種に加えトゲナシヌマエビ・スジエビの合計8種が得られた。隣接する鹿児島県本土(15種)に比べ多様性が低いが、これは主に宮崎県で黒潮の影響がより小さく、南方系の種が分布しない為であると考えられる。今回採集されたエビはすべて両側回遊型の生活史をもつと推定された。流程分布は種毎に異なっており、ヒメヌマエビは感潮域直上の下流域に、ヌマエビ・ミゾレヌマエビ・スジエビが下流から中流に、ヤマトヌマエビは上流域にみられ、その他の3種は流程のほぼ全域に出現した。加江田川は伊比井川に比べ堰堤などの人工構造物が多く、うち1ヵ所の堰では魚道が狭く、かつ急角度に設置されている。しかしながら、加江田・伊比井両河川いずれにおいても堰による流程分布の制限は認められず、エビ類の遡上において魚道が有効に機能しているものと考えられる。なお、県下における今後のエビ類相調査の一助とすべく、本稿で採集された全標本について形態的特徴を観察・記録し、種毎に同定基準の解説を行った。

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