東南アジア熱帯雨林の蒸発散量季節変化 : Biome-BGCモデルによる再現性の試行

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生態系の水・炭素循環を再現するBiome-BGCモデルの東南アジア熱帯雨林への適用性をマレーシア、サラワク州ランビル国立公園(4°12′N、114°02′E)の熱帯雨林で観測された各種の観測記録を用いて検討した。ランビル国立公園は、低地フタバガキ林で、蒸発散量、樹冠遮断量、NPP、地上部現存量などの観測値が蓄積されている。2001年7月から2002年6月のランビルの気象記録を用いて、温帯の常緑広葉樹林で得られたBiome-BGCモデルのパラメータセットによって求めた推定は、葉面積指数が小さく、蒸発散量が著しく小さい結果となった。光合成産物の地上部への分配割合、空気力学的コンダクタンス、気孔コンダクタンスのパラメータを変更すると、葉面積指数が観測結果に一致し、年間の蒸発散量とその季節変化をかなり再現する結果を得た。しかし、GPPと炭素蓄積量については水収支特性の再現性に比べて低い段階に留まった。

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