農学部初年次学生を対象とした学習支援環境の構築 : コミュニケーションに注目した学びのための居場所「あっそ〜」の試み

書誌事項

タイトル別名
  • ノウガクブ ハツ ネンジ ガクセイ オ タイショウ ト シタ ガクシュウ シエン カンキョウ ノ コウチク コミュニケーション ニ チュウモク シタ マナビ ノ タメ ノ イバショ アッソ ノ ココロミ

この論文をさがす

説明

本研究では、農学部学生を対象として2008年度より開始した学習支援ルーム「AsSO?!」の取り組みの概要とその意義を検討した。本活動は初年次学生の基礎学力の習得を第一の目的に掲げながら、学生間のコミュニケーション、学生と教員とのコミュニケーションの場として機能すること、そして学生の「学習」に関する多様なニーズに応える場となるべく活動を展開した。その結果、1年次生の約半分の学生(93名)がAsSO?!に1度は参加し、そのうち2回以上繰り返し参加した学生が半数以上見られた。また、アンケート結果より参加学生の満足度も比較的に高い結果となり、学生の参加態度も自ら課題を持ち込み学習に取り組む自主的な態度へと変化していった。さらに、AsSO?!への参加回数と「学びの意識性」の関連について質問紙による調査を行った結果、AsSO?!への参加回数が5回以上の群が1回群よりも学びへの好奇心や充足感が高まったことが示された。またAsSO?!への参加回数の多さと「大学における適応感」との関連が示唆され、大学に適応できている感覚を持つ学生は積極的に学習支援を利用している様子が伺えた。これは逆に適応感をあまり持てていないと感じている学生は積極的に学習支援を利用することが困難な可能性を示唆している。よって今後の課題として、幅広く様々な学生に対して気軽に支援ルームに足を運んでもらえるような働きかけや工夫の重要性が挙げられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ