ラーメン用小麦新品種「ちくしW2号」の育成

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  • ラーメンヨウ コムギ シン ヒンシュ チクシ W2ゴウ ノ イクセイ

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抄録

「ちくしW 2号」は、ラーメン適性良、早生、多収、高蛋白含量、縞萎縮病抵抗性および穂発芽耐性を育種目標に福岡県農業総合試験場において育成された硬質小麦品種で「東山40号」を母、「西海186号」を父とした組合せに由来する。育種法は、トウモロコシの花粉を利用した半数体育種法による。「ちくしW 2号」は、原粒の灰分含量、粗蛋白含量および製粉特性は「ミナミノカオリ」と同等である。60%粉の灰分含量および粗蛋白含量は「ミナミノカオリ」と同等であるが、アミログラム最高粘度は「ミナミノカオリ」より高い。細いストレートめんのとんこつラーメン用として、生めんの色相は「ミナミノカオリ」より優れ、食感は粘弾性が高く茹で伸びし難く、総合的なラーメン官能特性は「ミナミノカオリ」より優れる。出穂期、成熟期はともに「ミナミノカオリ」より2日早い早生である。稈長、穂数は同程度であるが、穂長は長い。容積重は同程度であるが、千粒重が重く、「ミナミノカオリ」より多収である。粒質は「ミナミノカオリ」同様硬質で、検査等級はやや優れる。縞萎縮病に抵抗性であり、穂発芽性は難である。2008年3月に種苗法による品種登録出願がなされ、同年10月に福岡県で準奨励品種に採用された。

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