雨氷が封鎖したねぐら樹洞で発見されたハシブトガラParus palustrisの死体とその死因について

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タイトル別名
  • Imprisonment by glaze ice may have caused the death of a cavity roosting marsh tit (Parus palustris)

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2007年2月15日,北海道札幌市の落葉広葉樹林で,入り口が氷とざらめ雪に覆われたねぐら樹洞内で,ハシブトガラの死体を発見した。氷は透明で,その上をざらめ雪が覆っていたことから,最初に雨氷が降って木に氷が付着し,後にざらめ雪が降ったものと考えられた。ねぐら穴の入り口の方向と,氷の付着方向から,南から南南西の方向の風による着氷,着雪と考えられた。調査地近くで観測された気象データからは,着氷雪の発生は2月14-15日にかけての真夜中ごろと推察された。また,鳥類病院の検査部門に委託した病理解剖の結果は,ハシブトガラは消耗による死亡ではなく,内臓器官の状態からみて,窒息による死亡所見と矛盾しないことを示した。これらの状況証拠から,ハシブトガラが14日の夕方にねぐらに入った後に着氷雪が発生し,入り口を塞いだために通気がとまり,窒息死に至ったと推察された。

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