イネ縞葉枯病・穂いもち圃場抵抗性をもつ水稲新品種「キヌヒカリサイタマSBL」

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  • イネシマ ハガレビョウ ホイモチ ホジョウ テイコウセイ オ モツ スイトウ シン ヒンシュ キヌヒカリサイタマ SBL

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抄録

「キヌヒカリサイタマSBL」は、2007年に埼玉県農林総合研究センター水田農業研究所において育成された水稲新品種で、「キヌヒカリ」にイネ縞葉枯病抵抗性遺伝子Stvb-i、穂いもち圃場抵抗性遺伝子Pb1を導入した同質遺伝子系統である。来歴および特性は以下のとおりである。1999年に「キヌヒカリ」を反復親、「埼407」(後の「彩のかがやき」)を供与親として交配を開始し、その後、5回戻し交配を行った。戻し交配する個体の選抜には、イネ縞葉枯病抵抗性遺伝子Stvb-iを検出するDNAマーカー(特許第3069662号、2000)を利用した。2003年に交配を完了し、その後代から育成された品種で、2007年品種登録出願を行った。「キヌヒカリ」と比べ、早植栽培、普通栽培とも、出穂期、成熟期はほぼ同じである。稈長は2〜3cm短く、穂長は同程度、穂数はやや少ない。草姿はよく似る。穂発芽性は「中」でやや穂発芽しにくい。イネ縞葉枯病抵抗性遺伝子Stvb-iを持ち、イネ縞葉枯病には抵抗性を示す。葉いもち圃場抵抗性は「中」で「キヌヒカリ」よりわずかに強い。穂いもち圃場抵抗性遺伝子Pb1を持ち、穂いもち圃場抵抗性は「やや強」である。白葉枯病抵抗性は「弱」で「キヌヒカリ」と同等である。「キヌヒカリ」に比べ、玄米千粒重はやや軽く、粒長はわずかに短く、玄米の外観品質は同等である。玄米および白米の粗蛋白質含量、白米のアミロース含量は同程度で、官能食味の結果は同等である。収量は早植栽培でやや低く、普通栽培では同等である。本品種の適応地域は温暖地東部以西である。

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