マンゴー‘アーウィン’果実の成熟による数種の酵素活性の変化

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  • マンゴー アーウィン カジツ ノ セイジュク ニ ヨル スウシュ ノ コウソ カッセイ ノ ヘンカ

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抄録

湯浅農場植栽‘アーウィン’樹は4月下旬満開期を迎えた花穂が着果し、成熟してくると果皮色が緑色の状態から紫色、赤紫色、赤色となる。果実の成熟度と軟化に関与する成分とその関連酵素活性について検討した。呼吸量は紫色果で上昇し、赤紫色果で最大に達し、その後減少した。果肉硬度は緑色果から紫色果にかけて急激に低下した。不溶性ペクチン含量は緑色果で最も多く、成熟(果皮の赤色化)とともに減少したが、水溶性ペクチン含量は増加する傾向を示した。ポリガラクチュロナーゼ活性は赤紫色果で最も高く、その後、果皮の赤色化に伴い減少した。へミセルロース含量は成熟に伴い減少した。α-L-アラビノフラノシダーゼ、β-D-ガラクトシダーゼ活性は成熟とともに上昇する傾向を示した。β-D-ガラクトシダーゼ活性はα-L-アラビノフラノシダーゼ活性と比較すると顕著に高い活性を示すことより、果実の軟化機構に深く関与していると考えられた。デンプン含量は緑色果から紫色果にかけて激減した。α-アミラーゼおよびβ-アミラーゼ活性は緑色果から赤紫色果にかけて上昇し、その後、果皮の赤色化に伴い減少した。緑色果から紫色果にかけてデンプン含量が激減し、α-アミラーゼ活性が急増していることから、α-アミラーゼ活性がデンプンの分解に深く関与していることが考えられた。ポリガラクチュロナーゼ、β-D-ガラクトシダーゼおよびα-アミラーゼ活性はマンゴー果実の成熟に深く関与し果実軟化の指標酵素であることが示唆された。

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