紫外光(UV-B)照射による施設野菜の病害防除

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  • シガイコウ UV B ショウシャ ニ ヨル シセツ ヤサイ ノ ビョウガイ ボウジョ

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説明

植物体に紫外光(UV-B)を照射することにより、病害抵抗性が誘導され、病原菌の感染が抑制されることが知られている。本研究では、UV-Bを照射した施設野菜における各種病害の防除効果を調査するとともに、病害抵抗性が誘導されているかどうかの検討を行い、以下のことが明らかとなった。1.発病前からUV-B照射した施設野菜(ナス・トマト・キュウリ)における各種病害の防除効果を調査した結果、ナス灰色かび病、トマト灰色かび病、トマト葉かび病およびキュウリうどんこ病において防除効果を示した。2.UV-B放射照度10μW/cm2以下では各病原菌の胞子発芽はほとんど阻害されず、菌叢の発達も認められた。3.UV-B照射したトマト葉において病害抵抗性関連遺伝子の発現が確認された。以上の結果より、紫外光(UV-B)を施設野菜に照射することにより、植物の抵抗性遺伝子が活性化し、植物が本来もつ免疫機構を高めて、病害の発生を抑制することが示唆された。本防除技術の利用により、農作物の生産性および品質の向上、農作業の省力化、省エネ化、環境負荷の軽減などのメリットが期待され、今後、さらにUV-B利用による農業技術の体系化および高度化を図っていくことが望まれる。

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