豚ぷんコンポスト施用土壌におけるトウモロコシとサツマイモを用いた亜鉛と銅の吸収 : アーバスキュラー菌根菌の寄与および木炭施用の影響

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  • Absorption of zinc and copper by maize and sweet potato in an arable field after pig farmyard manure application: contribution of arbuscular mycorrhizal fungi and effects of wood charcoal application

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本試験は豚ぷんコンポストの施用がトウモロコシとサツマイモの亜鉛(Zn)と銅(Cu)の吸収に及ぼす影響およびファイトレメディエーションとの関連を調査するため屋外コンテナ栽培実験として行った。すなわち、豚ぷんコンポストと木炭を施用した土壌を用い、ZnとCuの植物吸収におけるアーバスキュラー菌根菌(AM菌)や木炭の依存性および食用作物としての利用可能性を調査目的とした。その結果、豚ぷんコンポストの施用によりZnとCuの土壌含有量および両植物の吸収量が高まることが明らかとなった。豚ぷんコンポストの施用土壌におけるZnとCuの除去はトウモロコシの方がサツマイモよりも効果的と考えられた。トウモロコシ収穫後の豚ぷんコンポスト施用土壌では非施用土壌よりもAM菌胞子数が減少していた。サツマイモ収穫後の豚ぷんコンポストおよび木炭施用土壌は共に非施用土壌よりもAM菌胞子数が減少していた。菌根形成率やAM菌胞子数の増加に係る効果は必ずしも両植物の重金属元素の吸収に合致しているわけではなかった。AM菌の活動と木炭施用の関係は様々であったが、可食部のZnとCuの含有量は両植物共に豚ぷんコンポストの施用や他の処理の影響を受けてはいなかった。本研究の結果は、農耕地土壌において可食部の収穫を目的とした農作物を用いて長期ファイトレメディエーションを実行することが有効であることを示唆している。

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