モンゴル草地における植生調査とパターン展開法を用いた土壌水分推定

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  • Estimation of Soil Moisture Using Pattern Decomposition Method and Vegetation Survey in Mongolian Grasslands
  • モンゴル ソウチ ニ オケル ショクセイ チョウサ ト パターン テンカイホウ オ モチイタ ドジョウ スイブン スイテイ

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抄録

本研究では、モンゴル草地における植生調査とパターン展開法を応用した土壊水分推定手法について、現地調査データへの適用を試みた。調査はモンゴルのトブ県、ドンドゴビ県とへンティ県における牧草地や耕作放棄地など多様な土地利用状況における全10箇所を対象地とした。植生調査は、植被率の算出と坪刈りによる植物種の同定を行った。次に、可視・近赤外波長域(350-1050nm)が観測可能なセンサを持つ分光放射計を用いて、土嬢分光反射率を測定した。分光反射率は、衛星画像への適用を考慮に入れ測定波長域を4バンドに分類し、解析では各バンドの平均値を利用した。植生調査の結果、いずれの調査地においてもイネ科植物が生息していた。また、植被率が同程度の地域でも、土壌水分量に差異が認められた。著者らは、既にパターン展開法を応用した土壌水分推定手法を報告している。屋外実験により測定した土壌分光反射曲線(反射パターン)が、土壌含水比の低下に伴い直線形状に近づいたことから、パターン展開法を応用し、土壌含水比が低い場合の特性を示す直線モデルパターンを考案したものである。現地調査で測定した土壌分光反射率データを用いて土壌水分推定を行った結果、パターン展開により算出した直線モデルパターン展開係数と土壌含水比の間に有意な関係が示された(r(2)=0.72)。この際、土壌タイプの考慮は行わなかったことから異なるタイプの土壌を対象にした場合でも良好な精度の土壌水分推定値が得られることが示された。

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