林業におけるMincer型賃金関数の作成 : 兵庫県但馬地域内森林組合作業班員を対象として

書誌事項

タイトル別名
  • リンギョウ ニ オケル Mincerガタ チンギン カンスウ ノ サクセイ ヒョウゴケン タジマ チイキ ナイ シンリン クミアイ サギョウ ハンイン オ タイショウ ト シテ

この論文をさがす

抄録

森林組合作業班員の新規採用は、近年、一般労働市場からの人材獲得が進みつつあり、林業労働という業種を職業の一つとして捉え、就業者の賃金に関する要因分析を実施する場合、どのような特徴が見出せるのかを析出する必要がある。本研究では技能の上昇が賃金上昇を決定すると仮定している人的資本理論を基盤にした、労働経済学のMincer型賃金関数モデルを用い、兵庫県但馬地域の森林組合作業班員を対象として、林業における賃金関数を作成した。結果、賃金プロファイルは、基本的には年齢・勤続年数とともに上昇し、しかしその上昇は逓減することが伺われ、これは国内製造業と同様の傾向である。加えて、現職場への勤続年数よりは職業経験年数の方が高い推計値を出し、有意となったが、これらの結果は林業労働を扱った先行研究と整合的であった。本モデルから、林業において生産性を論じる場合、職業経験が労働市場経験年数や職場勤続年数より重要であることが示唆された。ただし、本モデルは対象地域を限定している点には留意が必要となる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ