さとうきびによるバイオエタノール燃料の普及可能性 : 沖縄県宮古島市における意識調査から

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  • サトウキビ ニ ヨル バイオエタノール ネンリョウ ノ フキュウ カノウセイ オキナワケン ミヤコジマシ ニ オケル イシキ チョウサ カラ

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説明

本研究は、甘味資源作物であるさとうきびの副産物である糖蜜からバイオエタノールを製造する実証事業が行われている宮古島市を対象に検討を行う。宮古島市は、バイオマスの利活用に積極的な地域でもあり、地域全体として、バイオマスを活用したエネルギーの地産地消にも取り組んでいる。こうした取り組みが地域に定着するためには、バイオエタノールの原料であるバイオマス資源作物を生産する生産者の協力が必要不可欠である。また、地域住民の理解や協力なくしては実際にバイオエタノールの利用が拡大し、温室効果ガス排出量の削減には繋がらないといえよう。本研究では、甘味資源作物であるさとうきびを利用したバイオエタノールの日本国内での普及可能性やその問題点を解明するため、バイオエタノール製造実証事業が導入されている沖縄県宮古島市を事例に、さとうきび生産農家と市民に対する意識調査をもとに検討を行うことを課題とする。意識調査によれば、さとうきび生産者としては、今後バイオエタノールの需要が増大したとしても、さとうきびの増産には少なくとも価格の引き上げ前提であること、その一方で、宮古島市民はガソリンの代替燃料としてのバイオエタノールとしての認識が強く、高くてもガソリン並の供給価格が必要であることが示された。その意味で、バイオエタノールの普及拡大には地域全体としての包括的な取り組みが一層重視されると考える。

収録刊行物

  • 農村研究

    農村研究 (111), 34-44, 2010-09

    東京 : 食料・農業・農村経済学会

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