マウス精子にはウイルスを感知するToll like receptorが発現し、それは受精能を低下させる

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  • Murine sperm expresses toll-like receptor (TLR) family that responds to the pathogens released from virus, and decreases fertilization ability by the stimuli

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抄録

細菌感染した精液では、精子自身が細菌が放出する内毒素をToll like receptor(TLR)を介して感知し、自身の運動性を低下させる。ウイルス感染した精液においても、精子の低運動性が認められることから、精子はウイルス感染も感知している可能性がある。しかし、ウイルスが放出する病原体に対するTLR familyについて、精子における発現とその役割に関する報告はほとんどない。本研究において、精子に脱メチル化CpG配列に反応するTLR9が発現していることが示された。ウエスタンブロッティング解析の結果、TLR9のタンパク質レベルでの発現も検出されたが、先体反応を誘起した精子では、そのバンドが薄くなっていたことから、TLR9が精子頭部に局在していると推察された。TLR9のリガンドは、先体の損傷を促し、BSAによる受精能獲得誘起を抑制した。さらに、体外受精および人工授精試験の結果、TLR9リガンドで前培養した精子の体内、体外における受精能が有意に低下していた。以上の結果から、精子にはウイルスのDNAである脱メチル化CpG配列を感知するTLR9が発現し、精液中のウイルス感染を感知可能であることが示唆された。

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