ヤシ繊維基盤ロールを基材としたハナカンナ植栽による水質浄化

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  • ヤシ センイ キバン ロール オ キザイ ト シタ ハナカンナショクサイ ニ ヨル スイシツ ジョウカ

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抄録

わが国では河川や海域に比べて湖沼の水質改善の達成率が低く、その改善が望まれている。本研究では、ハナカンナを用いてヤシ繊維基盤ロールを植栽基材とした池での水質浄化実験を行い、その水質浄化能と生物多様性に及ぼす影響について検討した。まず、熊本市動植物園内の池に対照区と植栽区を設置し、各区間の水質変化と生物多様性への影響を検討した。調査項目は水温、酸性度(pH)、溶存酸素(DO)、導電率(EC)、透視度、懸濁物質(SS)、無機態窒素、オルトリン酸態リン(PO4-P)、化学的酸素要求量(COD)および生物化学的酸素要求量(BOD)とした。次に、環境要因を受けない室内での水槽実験を行い、ハナカンナの栄養塩類の吸収特性について検討した。調査項目は、pH、DO、EC、無機態窒素およびPO4-Pとした。池の実験では、ヤシ繊維基盤ロールを植栽基材に使うことで、根が固着できない水底条件でもハナカンナの植栽が可能であった。また、植栽区において、透視度、CODおよびBODが改善された。水槽実験では、植栽水槽において、対照水槽よりも栄養塩類の有意な減少(p<0.05)がみられ、ハナカンナが水質浄化資源になり得ることが示唆された。

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