‘晩白柚’と体細胞雑種‘カンキツ中間母本農4号’との交雑から得られた種子の重さと倍数性との関係

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  • Relationship between weight of seeds and the ploidy level of the seedlings obtained from the cross between 'Banpeiyu' pummelo and somatic hybrid 'Citrus parental line No.4'

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抄録

ユズ(Citrus junos Siebold ex Tanaka)とネーブルオレンジ(C. sinensis(L.)Osbeck var. brasiliensis Tanaka)との体細胞雑種である‘カンキツ中間母本農4号’を三倍体育種に利用するために、‘晩白柚’と交雑を行い、得られた実生の倍数性を調査した。‘カンキツ中間母本農4号’の花粉稔性は、片親のネーブルオレンジに花粉が全くないにも関わらず、染色稔性と発芽稔性がそれぞれ88.2と21.2%であり、高い稔性を示した。そこで、‘カンキツ中間母本農4号’を‘晩白柚’に交雑した結果、完全種子からは三倍体(105個体)、四倍体(20個体)および六倍体(1個体)の実生が得られ、三倍体(83.3%)が多く出現した。種子の重さと倍数性との間に相関は認められなかったが、やや大きい種子(0.4~0.6g)から四倍体が、小さい種子(0.2g)から六倍体が出現していたのに対し、三倍体は種子の重さに関係なくいずれの重さの種子(0.2~0.8g)からも発生していた。なお、不完全種子から得られた実生の倍数性は全て三倍体であった。本研究の結果より、‘カンキツ中間母本農4号’は三倍体育種の親として利用できることが示唆された。

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