分娩前後のβ-カロテン補給が黒毛和種牛の血清ビタミン濃度および受動免疫に及ぼす効果

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  • Effects of peripartum β-carotene supplementation on serum vitamin concentrations and passive immunity in Japanese Black cattle
  • Effects of peripartum b carotene supplementation on serum vitamin concentrations and passive immunity in Japanese Black cattle

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抄録

分娩前後におけるβ-カロテン補給が、黒毛和種牛の血清ビタミン濃度および受動免疫に及ぼす影響について調べた。19頭の妊娠雌牛を補給群(n=10)または対照群(n=9)に分けた。補給群は分娩4週間前より分娩4週間後まで、1日1回300mgのβ-カロテンが与えられた。全ての雌牛に分娩8および4週間前の2回、毒素原性大腸菌ワクチンが摂取された。補給群の血清β-カロテン濃度は分娩時にかけて上昇し(P<0.001)、分娩時(P<0.05)および分娩1週間後(P<0.1)において対照群に比べ高かった。β-カロテン補給は雌牛の血清レチノールおよびα-トコフェロール濃度に影響を与えなかった。補給群の母牛から生まれた子牛の血清β-カロテン濃度は、対照群の母牛から生まれた子牛に比べ、生後4週間において高い傾向にあったが有意差は認められなかった。β-カロテン補給は、母牛およびその子牛のK99に対する血清抗体価および子牛の発育に影響しなかった。以上の結果から、300mgのβ-カロテン補給は、母牛および子牛においてβ-カロテン以外の血清ビタミン濃度に影響を与えず、また受動免疫にも影響しないことが示唆された。

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