浸潤法を用いた水ストレス下の果樹葉気孔反応の測定と潅水開始時期の簡易判定

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  • シンジュンホウ オ モチイタ ミズ ストレス カ ノ カジュ ヨウ キコウ ハンノウ ノ ソクテイ ト カンスイ カイシ ジキ ノ カンイ ハンテイ

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抄録

果樹の水ストレスおよび潅水開始時期の判定手段として浸潤法を取り上げ,数種落葉果樹(5樹種9品種)を対象に以下の実験を行った。栽培現場で簡易に使用できる浸潤法として,ケロシン単一液法を考案し,その浸潤時間と画像処理解析法で測定された気孔開度を比較したところ,両者間に密接な量的関係が見出された。切葉を用いて浸潤法測定時の気温と浸潤時間の関係を調査し,気温の違いからもたらされる測定誤差の補正方法を考案した。鉢植え樹と切葉の両者に水ストレスを与え,浸潤時間や水蒸気拡散抵抗(Rl)の変化を調査したところ,Rlが急上昇し始める葉の水ポテンシャル(ψl)はブドウで約-1.2MPa,カキで約-1.4MPa,オウトウで約-1.8~-2MPa,リンゴで約-1.7~-1.9MPaおよびセイヨウナシで約-2.1~-2.5MPaであった。ψl,Rlおよび補正後浸潤時間の3者の関係から,光合成作用が種々の程度に減退する時の浸潤時間を推定し,これらを潅水開始時期の指標として提案した。ケロシン液で浸潤時間が短すぎる樹種については流動パラフィンで代用する場合の上記指標(浸潤時間)の拡大係数を明らかにした。

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