カワネズミ Chimarrogale platycephala における効率的な捕獲調査方法の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Efficient Capture Methods for the Japanese Water Shrew Chimarrogale platycephala
- カワネズミ Chimarrogale platycephala ニ オケル コウリツテキ ナ ホカク チョウサ ホウホウ ノ ケントウ
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抄録
野外調査の難しい種である半水生のカワネズミChimarrogale platycephalaにおける生息確認調査の効率を向上させることを目的として,捕獲個体の死亡率を低減するためのワナ改良をおこなった。同時に調査に適した季節および適切なワナ設置間隔を検討した。従来型カゴワナを24時間ごとに見回ると捕獲個体は全て死亡し,2時間毎に見回っても毛皮の水濡れが防げなかった。ホースで退避室を接続したカゴワナでは24時間毎の見回りでも64%の生存率が得られたが,ワナから脱出しようとして負傷する個体があった。さらに見回り時間を6時間毎にすると生存率は100%になり,捕獲個体の水濡れおよび負傷が防げた。本種は春~秋のどの季節にも調査が可能であり,その捕獲率は平均2.1%であった。ワナ列長1,000m以下の調査をおこなったところ,およそ470mあたり1頭の割合で捕獲された。ワナ設置間隔を100m以下に縮めても捕獲効率に差がなかったことから,ワナは100m程度の長い間隔で設置することが効率的であると考えられた。本種が捕獲された地点においては遅くとも調査4日目以内に捕獲があったことから,生息の有無を判断するためには連続4日間以上の調査が必要であることが示された。
収録刊行物
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- 東京農業大学農学集報
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東京農業大学農学集報 55 (4), 290-296, 2011-03
東京 : 東京農業大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001338733431168
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- NII論文ID
- 110008146975
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- NII書誌ID
- AN00164184
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- ISSN
- 03759202
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- NDL書誌ID
- 11063357
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- NDL
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