但馬牛雌肥育牛の増体性及び肉質

書誌事項

タイトル別名
  • タジマギュウ メス ヒイクギュウ ノ ゾウタイセイ オヨビ ニクシツ

この論文をさがす

抄録

但馬牛肥育牛の増体性,肉質及び血液成分の性差について検討した。供試牛は10か月齢の但馬牛肥育牛で鶴神土井産子7頭(去勢3頭,雌4頭)及び菊俊土井産子8頭(去勢4頭,雌4頭)合計15頭を用い,去勢区及び雌区の2区を設けてそれぞれ7及び8頭ずつ配置した。飼料は両区とも同一のものを給与した。濃厚飼料として大麦,加熱圧ペントウモロコシ,一般フスマ及び大豆粕を配合した前期(10-14か月齢,TDN: 72.9%,粗蛋白質: 15.0%),中期(15-22か月齢,TDN: 73.9%,粗蛋白質: 12.7%)及び後期配合(23-30か月齢,TDN: 74.4%,粗蛋白質: 11.9%)を用いた。濃厚飼料は15か月齢までは制限給餌とし,その後は飽食とした。粗飼料としてチモシー乾草(10-12か月齢)とウィートストロー及び稲ワラ(13か月齢以降)を制限給餌した。(1)雌区は去勢区に比べて肥育前期における飼料効率が有意に低く,1日増体量が有意に低かった(P<0.05)。(2)体重は試験開始時から終了時まで雌区が去勢区に比べて有意に軽かった(P<0.05)。(3)枝肉重量は雌区が去勢区に比べて有意に軽かったが(P<0.05),格付項目には有意な差は認められなかった。(4)胸最長筋脂肪の脂肪酸組成は雌区が去勢区に比べてオレイン酸及びモノ不飽和脂肪酸割合が有意に高かった(P<0.05)。(5)血液成分では両区に有意な差は認められなかった。以上のことから,雌牛は去勢牛に比べて肥育前期において飼料効率が低くなることがわかった。そのため,今後,雌牛に合った肥育前期の濃厚飼料の給与量を検討すべきであると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ