そば切りのつなぎとしてのオヤマボクチ(Synurus pungens (Fr. et Sav.) Kitam.)の葉の繊維収量

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タイトル別名
  • Fiber extraction from oyama-bokuchi (Synurus pungens (Fr. et Sav.) Kitam.) leaves for use as a thickening agent in buckwheat noodle
  • ソバキリ ノ ツナギ ト シテ ノ オヤマボクチ Synurus pungens Fr et Sav Kitam ノ ハ ノ センイ シュウリョウ

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抄録

オヤマボクチ(Synurus pungens(Fr. et Sav.)Kitam.)の葉の繊維質は,地域独特のそば切りのつなぎとして伝統的に用いられている。本論文では,オヤマボクチの地域産物化のための第一歩として,オヤマボクチの葉から繊維を抽出する工程を試作し,収量を求めることとした。長野県中央アルプス周辺の自生地から2系統を選定し,2010年10月初旬に11枚ずつ生葉を採集した。葉はサイズを計測後,乾燥・秤量・粉砕し,熱湯で6時間茄でて繊維を抽出した。その結果,個葉の葉面積は平均190~340cm2で変異が大きかった。100cm2あたり,葉の乾物重0.242~0.291g,繊維収量0.044~0.052gでともに系統間差が有意であり,葉の乾物重に対する繊維の収率は2系統ともおよそ18%であった。つなぎ用の繊維抽出には大量の葉が必要であることが確かめられたので,地域産物化と自生地保全のためにはオヤマボクチの栽培化が望まれる。

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