安定同位体比解析による松本市街地に出没したツキノワグマ(Ursus thibetanus) の食性履歴の推定

書誌事項

タイトル別名
  • Feeding habit analysis of an Asiatic black bear that intruded into urban area in Matsumoto by stable isotopes
  • アンテイ ドウイタイヒ カイセキ ニ ヨル マツモト シガイチ ニ シュツボツ シタ ツキノワグマ Ursus thibetanus ノ ショクセイ リレキ ノ スイテイ

この論文をさがす

抄録

2010年はツキノワグマの大量出没の年となり,しかも,平常年では見られなかった市街地への出没という特異的事例が注目された。出没個体の状況を明らかにすることは,ツキノワグマの保護管理のために必要不可欠である。本研究では,2010年11月6日朝,長野県松本市南部の市街地に出没したツキノワグマの体毛について,安定同位体比分析により食性履歴の解明を試みた。当該個体の体毛の炭素および窒素安定同位体比は,通常年の北アルプスや中信高原の自然個体と同様の値を示し,人里の残飯等に依存していた形跡は見られなかった。つまり,人間の食物に誘引されて出没したのではないと考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ