fMRIを用いた隠匿情報検査 : 刺激の反復呈示が腹外側前頭前野の活動に及ぼす影響

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  • fMRI オ モチイタ イントク ジョウホウ ケンサ シゲキ ノ ハンプク テイジ ガ フク ガイソク ゼントウ ゼンヤ ノ カツドウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

隠匿情報検査(CIT)とは,当事者にしか知り得ない情報を被験者が有しているかどうかを判定するための手続きであり,通常はポリグラフを用いて自律神経系活動を指標として実施する。一方,近年においてはfMRIなどの中枢神経系活動を指標としたCITに関する研究が進められている。著者らの研究から右側の腹外側前頭前野(vlPFC)の活動が隠匿情報の有無の判定に有効であることが示されたが,その際の正判定率はポリグラフによる正判定率をわずかに下回っていた。fMRIによるCITは,ポリグラフを用いる場合と比べて,刺激の反復呈示回数が多く,それが結果の判定に影響を及ぼしている可能性が考えられる。本研究ではfMRIを用いてCITを実施し,刺激の反復呈示が右vlPFCの活動に及ぼす影響について検討した。反復呈示回数の増加に伴い右vlPFCの活動量が減少することが明らかになったが,この減少傾向は隠匿情報に関連しない刺激に対しても同様に認められており,隠匿情報の有無の判定への影響は比較的少ないと考えられる。

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