花粉の少ないスギ品種をクローンおよび実生で普及した場合における雄花減少量の予測

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タイトル別名
  • Prediction of pollen reduction using selected less pollen variety of Sugi (Cryptomeria japonica) propagated by clonal cuttings and open pollinated progenies from clonal seed orchards
  • カフン ノ スクナイ スギ ヒンシュ オ クローン オヨビ ミショウ デ フキュウ シタ バアイ ニ オケル オバナ ゲンショウリョウ ノ ヨソク

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抄録

花粉の少ないスギ品種を利用した花粉症対策の効果を検証するため、花粉の少ないスギ品種をさし木苗等のクローンで普及する場合および実生苗で普及する場合を想定し、前者はクローンの直接選抜、後者は家系の間接選抜の手法によって遺伝獲得量を算出し、花粉生産の減少量を試算した。着花性調査は個体ごとに1~5の5段階で評価し、解析にはこれらのデータのプロット平均値を用いた。着花性調査は、関西育種基本区内の育種素材保存園(クローン集植所)3箇所、さし木検定林22箇所、および実生検定林5箇所で行われた。これらの調査地を3地域に区分し、地域ごとに解析を行った。クローン平均値の反復率は0.47~0.64、家系平均値の遺伝率は0.43~0.82といずれも高い値であった。また、着花性の親子相関は0.41と算出された。したがって、スギの雄花着花性は遺伝的に強く支配された形質であることが示された。雄花着花指数の遺伝獲得量は、クローンの直接選抜では0.34~0.46、家系の間接選抜では0.14~0.16であった。これらの値を雄花重量に実数変換した結果、花粉の少ないスギ品種を植栽した場合に無選抜の母集団を100%とすると、クローンでは2.3~5.2%に、実生では45.4~47.7%に減少すると試算された。

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